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歯科衛生士 桑原
【日本歯周病学会認定歯科衛生士】

歯科衛生士歴:14年(2024年現在)
出身校:名古屋市歯科医師会付属 歯科衛生士専門学校


Q.初めての就職活動、前職で得た経験、転職のきかっけを伺えますか?

歯科衛生士学校を卒業後3年間は別の医院に勤め、その後なみき通り歯科に転職し、現在に至ります。

振り返ってみると、初めての就職活動は分からないことだらけでした。

求人票を見ているだけでは医院の雰囲気も全く掴めないですし、かといって全ての医院に見学に行くのは不可能ですし、どうやって職場を決めれば良いのかなと。

結局、家から近くて知り合いがいるところが間違いないかなと思い、仲の良い先輩が働いていた近所のクリニックを選びました。

そのクリニックは患者担当制ではなく、その日カルテをとった人が治療に入るという流れでした。

当時、このようなスタイルの医院は少なくなかったと思います。ただ、私が治療をしても、その患者様に次にいつ会えるのか分からなかったですし、その後はどうだったのか?症状は良くなったのか?そもそも通ってくれているのか?ということはずっと見えないままでした。

その状況は、入社から3年経っても全く変わっていませんでした。 職場や仕事自体には慣れてきて、人間関係もとても良かったのですが、肝心な歯科衛生士としての知識・技術・経験が身についていないことを実感していました。

「ずっとこの状態が続くのかな・・・」と不安を感じるようになり、転職を考え始めるようになりました。

Q.転職先になみき通り歯科を選んだきっかけを教えてください。

なみき通り歯科を知ったのは、知人から「今度新しくオープンする医院があるよ」と紹介してもらったのがきっかけでした。

「環境を変えて、一から始めるのも良いかもしれない」と思い医院見学に行ったのがなみき通り歯科でした。

まだ医院はオープン前で工事中の状態だったのですが、院長が医院の設計図を見せてくれて、新しい医院の内装やコンセプトについて教えてくれました。

院長の熱意とやる気に触れて、会ったその日に「この医院なら何か変わるかも!」と入社を決めました。

開院前にはマナー研修を受け、心の準備をして新しいスタートを切ることができました。オープンしたばかりのキレイな医院で働けるのもすごく嬉しかったですね。


入社したばかりの頃。スタッフ3名からのスタートでした。

Q.実際に入社してみて、どんな変化がありましたか?

「環境を変えたい」という動機で転職をした私ですが、当然ながら、環境が変わっただけでは仕事が一気にできるようになる訳ではありません。

特に当院の場合はオープンしたばかりのクリニックだったので、勉強以外にもスタッフミーティング、イベント開催など、目の前にやるべきことがたくさんありました。

忙しい毎日ではあったのですが、1日の仕事を振り返ると歯科衛生士業務に携わっている時間が前職よりはるかに増えていることに気づきました。

「自分が歯科衛生士として働けている」という実感と「目指していた方向にちゃんと進めている」という自信を持つことができたのは、当時の私にとってはとても大きな変化でした。

Q.DH業務をするようになり感じたこと、前職とのギャップについて教えてください。

「患者担当制」に対する意識はすごく変わったと思います。

前職では、一人の患者様に対して毎回違うDHが治療を行っていたので、漠然とその状況を変えたいなという気持ちはありました。ただ、当時そこまで強い意志があったわけではなく、「患者担当制の方が良いんだろうな」くらいの認識でした。

今になってはっきり言えるのは「DHとしては患者担当制はかなり重要!」ということです。

担当を持つというと、責任が伴うためプレッシャーに感じる方もいるかもしれません。ときには、治療に行き詰まってしまうことも出てくると思います。

でも、そんなときに立ち止まって考えたり・調べたり・誰かに相談したり・いろいろ試してみるのがDHにとって本当に大事なことなんです。それをして初めて、DHとしての技術や経験が磨かれていくんですよね。

予防歯科には「絶対的なテンプレート」はありません。患者様ごとの特性や疾病に対する感受性を考慮せずに、同じ来院間隔や予防プログラムを立案しても、全員に同じ効果を得ることは難しく、形式的な治療では必ず壁にぶつかるときがきます。

そんなとき、試行錯誤ができる人と、その場しのぎの治療をする人とでは、成長速度や学びの深さが全く違ってくると思います。

学会やセミナー、勉強会などで優秀な歯科衛生士の方々にお会いする機会も多いですが、そういった方々もやはり患者担当制で診療されています。「患者担当制」と正面から向き合うことが、DHにとってとても大切なことだと思っています。


Q.何かに行き詰まったとき、どのように解決してきましたか?

私が入社したのは開院して間もないころだったので、治療の流れも、予防の仕組みも、すべて院長と一緒につくりあげてきました。

臨床で行き詰ったことも、全国の研修・学会・セミナーに参加したり、院長や他のDHと話し合い、一つずつ乗り越えてきました。

予防歯科を作り上げるのは試行錯誤の連続でしたし、たくさん模索しながら進めてきました。

だからこそ、今では後輩たちに無駄なく伝えられるようになってきたと思います。

たとえば当院では、ベテランスタッフと若手DHがペアを組んで研修を行います。その日分からなかったことを質問をしたり、次回の治療計画を確認したり、検査数値の目標設定を行うなど、毎回ひとつずつ確認しながら治療を進めていきます。

歯周病治療やメインテナンスで苦手意識が生まれるのは、分からないことをそのままにしていたり、相談するのを後回しにしてしまっている場合がほとんどです。

普段から先輩後輩でコミュニケーションを取り、問題はすぐに共有し、解決に向けて軌道修正できるようにしています。


Q.昔からセミナーに積極的に参加されていたのですか?

そんな私がセミナーや勉強会に積極的に参加するようになったのは、2つのきっかけがあります。

一つ目は院長の存在です。

転職した当時の私は、まだ社会人になって間もなかったこともあって「休みやお給料は自分のことに使いたい!」と思う気持ちが強い時期でした(笑)。

ただ、院長は当時からたくさんの勉強会に参加されていて、私たちにもよく「勉強会に参加してみない?」「このセミナーどうかな?」と声をかけてくださっていました。

その熱に引っ張られて、私たちも徐々に勉強というものに興味が向くようになっていきましたね。

二つ目は、後輩の存在です。

はじめて後輩スタッフが入社した際に、その後輩から質問されても何も答えらなかったことがありました。

「自分は知らないことが多い」「歯科衛生士学校を卒業するだけでは不十分」ということを認識するようになりました。

こうしたきっかけが重なり、本当にいろんなセミナーに出席するようになりました。興味のあるものは全て受講してきたと思います。

その集大成が予防歯科の大家である熊谷先生のセミナー(オーラルフィジシャン)、日本歯周病学会の認定資格であり、現在では自分がセミナーに登壇する機会をいただくことも増えています。

院長が当時積極的に勉強会に誘ってくれなかったら…後輩に出会っていなかったら…きっと今の自分はないと思っています。


後輩の存在が、私にとってのモチベーションに


臨床歯周病学会での発表


Q.就活中の後輩にアドバイスをお願いします!

もしもこれから就職先を探すなら、当時の私のように「家から近い」といった理由ではなく、医院の中でDHがどんな立場にいるのか、またDHの仕事ぶりをしっかりよく見てから職場を選んでもらえたらなと思います。

というのも、社会人は「はじめ」がものすごく大事だと思うからです。

嫌になって1年で辞めてしまう可能性があるなら、まずは「3年絶対働ける」と思うクリニックで、時間をかけてでも基礎を学んで行くのが良いのだと思います。


日本歯周病学会認定衛生士に合格!